ミュウミュウ(MIU MIU)の2025-26年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。
ミュウミュウの2025年秋冬コレクションは、「フェミニニティ」がテーマ。衣服を通して、女性であることの意味を真正面から問いかける。
ミュウミュウが考える「女性らしさ」とは、しとやかさや繊細さといった類のものではなく、むしろ女性をエンパワーしてくれるような力強さにあるのかもしれない。そんな考えは、女性らしいシルエットを“極端に強調”したアイテムから感じ取ることができた。
その最たる例が、今季を象徴するアイテムである「コーンブラ」だ。タイトフィットなニットに映し出される、ツンと先端が尖ったバストのデザインは、まるで女性を守る鎧のよう。身体のラインを拾わない、シャープで硬いフォルムには、男性に媚びないパワフルな女性らしさが宿っているように思われる。
本来男性的な服もまた、フェミニンなフォルムにアレンジされている。パワーショルダーのダブルコートやテーラードジャケットは、胸の下にダーツを入れることで柔らかなカーブを演出。えり抜きしたようなシルエットで胸元をざっくりとはだけさせ、中からランジェリー風のインナーをチラりと見せた。大ぶりのピアスにハンドバッグ、ファーストールと、レディーライクな小物合わせにも余念がない。
このほかにも、サテン生地のランジェリードレスやブラ、ボレロ、ファージャケットなど、“淑女風”のアイテムが多数登場。大ぶりのブローチやクローシュハット、シアーソックスといった小物も繰り返し提案され、コレクションをエレガントに彩った。
過去数シーズンと比べると、アイテムは全体的にシンプル。装飾を抑えつつ、色・柄・質感で“祖母のワードローブ”を思わせるノスタルジックな雰囲気を演出している。ラメ糸が煌めくタイトなセーターや色とりどりのハイソックス、ウエストを絞ったスーツ、チェック柄の膝丈スカートなどはまさに、1940~50年代を彷彿とさせるヴィンテージライクなピースと言えそうだ。
コレクションに彩りを添えるバッグにも注目。今季は、ブランドを象徴するふくれ織りの「マテラッセ」バッグからマイクロサイズの新作が到着。パステルカラーのスクエア型ハンドバッグや、ヴィンテージレザーのような経年変化を感じる横長ハンドバッグも登場した。