ポール・スミス(Paul Smith)は、2026年春夏メンズコレクションをポール・スミスのミラノ本社にて、2025年6月21日(土)に発表した。これまでパリにてコレクションを発表してきたポール・スミスがミラノファッションウィークに参加するのは、今回が初となる。
今季は、世界各地のマーケットを巡りながらインスピレーションを集めてきた、ポール・スミスの旅路を辿るコレクション。旅の風景をあたたかな眼差しで回想する、ノスタルジックなウェアが揃う。加えて、蚤の市に並ぶアンティークを思わせる巻貝モチーフのボタンや多彩なチャーム、レトロなホテルのキーをモチーフにしたスーベニア風チャームなども登場している。
象徴的なのは、夏の陽の光に当たったかのようなウォーミングさと、熱気を感じる生き生きとした色使い。温もりのあるアースカラーやニュアンスカラーに、ヴィヴィッドな色彩のアイテムをワンポイント差し込み、プレイフルなアクセントを効かせたルックが散見された。
たとえば、カーキのパンツにはフューシャピンクのニットを合わせ、目に飛び込んでくるかのような鮮烈さをプラス。スモーキーなパープルのパンツには熟れたオレンジのようなニットベストを合わせ、ベージュのシャツにはライムグリーンのジャケットやスニーカーを組み合わせている。グレートーンでまとめたシャツとショートパンツのアクティブなルックには、涼やかなライトブルーのスニーカーが軽快さを加えている。
しなやかなシャツやアウター、ネクタイを彩る大胆なコラージュモチーフのプリントも目を引く。ポール・スミス自身が撮影した写真の断片を取り入れながら、様々な形と色を繋ぎ合わせて生み出したコラージュアートが採用されており、万華鏡のような絵柄が存在感を放っていた。
また、花や植物をダイナミックにコラージュしたレザージャケットや、空飛ぶ鳥のアップリケを配したダブルブレストのジャケットも登場。ふと思い出した記憶の中の一場面を大事にスクラップしていくような、優しく、そして遊び心に満ちた感性が反映されている。
スタイリングは、アクティブかつ好奇心に満ちたトラベラーの装いをイメージ。セットアップにベレー帽やスカーフを合わせてみたり、軽快なオープンカラーシャツやワークテイストのジャケットにかっちりとしたトラウザーズをコーディネートしたりと、旅人が行く先で買い集めた服を気ままに組み合わせて着るようなミックススタイルが提示されている。